2011年7月8日金曜日

ガルデルとフォルクローレ(1)

ガルデル17歳ごろの写真:モンテビデオにて(1902年)

今年も各地でガルデルの悲惨な事故への追悼記念行事が76回目としてで行なわれた:

①:ガルデルの家博物館(ブエノスアイレス市ジャンジァーレス735)でサァベドリーナス・ギターとコルダルトリオによるアルゼンチン・ギターサイクルの出演。エステバン・リエラ,ルル,フアン・アルベルト・ペイナードとセサル・アンへレンリとパブロ・マイネッティ二重唱。それにアナ・トゥロン所蔵“ガルデルの世界の本”の展示が2011年8月7日まで開催中,入場自由無料。

②:マルデルプラタ,バイアブランカ,リオクアルト,イグアス,サンミゲル・デ・トゥクママン,モンテビデオ,それにチリー,サンフィリッペ・デ・アコンカグァ等各地で追悼祈念式が行なわれた。

そこでガルデルの芸能ルーツを探るのも価値があると思うので,彼が若き頃に歌っていたフォロクローレの世界を尋ねるとしよう。

ガルデルとフォルクローレ(1)
南米小国ウルグアイ,この国の独立後からの地方の伝統とガウチェスカ(ガウチョ風)音楽の歴史の些細な出来事がある。この国最初の詩人とされるバルトロメ・イダルゴと著名なバジャドール達,詩人,文筆家達と彼達の間にパコ・エスピノラ,ウェセスラオ・バレラ,フアン・ペドロ・ロペス,シルバ・バルデス,ルーベン・ルナ等達と,その他数の中にエリアス・レグレス、フアン・デ・ナバとその息子アルトゥーロ,アルフレッド・ゴビ,マリオ・パルド,アルシデス・デ・マリア達の面々は南米ラ・プラタ地域のウルグアイ・クリオージョ詩と音楽分野の歴史に属する特にふさわしいと思われる人物達だが。驚く事に,このリストに載らない傑出した人物で,並外れた最高の歌唱芸能に卓越した一人の人物に触れていない事である。その名はカルロス・エスカジョーラ・オリバと称せる人で,限りない不運な生まれの結果の為に“カルロス・ガルデル”と自称した人物である。紛れも無く彼は,この音楽分野の世界において,タンゴの王者として万人に広く知られているが。少年期から青年(1900-1905年頃)になる頃にかけて,彼の生地であるウルグアイ地方のタクアレンボーと首都モンテビデオで生活をしていた事実は,多くのウルグアイ人すら知られていない。しかしながら,彼は生れながらの歌唱への天性才能に恵まれて,歌い初めの頃に接したラ・プラタ郷土民謡,即ちフォルクローレはルイス・ビジャルビなる無名のパジャドールにエリアス・レグレスのトリステなどの歌い方の手程きを受けたもの。その後の彼の芸能活動に強く深くも影響した。そして,後に卓越した歌の数々のスタイルはカンシオン,バルス,エスティーロ,トリステ,サンバ,トナーダ,シフラ,クエッカ,ランチェーラ,チャカレーラ,ビダリーダ,ガトと,そのレパトリーは百曲余りに到達する。それは彼が,あのタンゴ“ミ・ノーチェ・トリステ”を歌い,一躍有名になる前の無名時代の知らざれるガルデルである。

ガルデル若き頃

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