2011年8月1日月曜日

ガルデルのCD-1(6~10曲目)

⑥:ミ・チーナ・カブレーラ(山羊飼いの乙女)
副題:パランガネアンド(ほら吹き)/エスティーロ/
作者:カルロス・ガルデル:スタイルは本格的ガウチョ音楽であり、スラム街の言語(ルンファルド)の世界に引き込まれるだろう。

Siempre andas palanganeado/あんたはいつもほらふいている
sin yo saber el porque,/何故だか俺にはわかない
me decis que se yo que/おまえが言うには,私の知ってる事かい!
y siempre andas comadreando,/そして,いつも俺のうわさ話を垂れ流し
mira que me estas cargando/見ろよ!あんたは俺を閉口させている
con tu rezongar al cuete,/あんたの文句に酩酊だ
decime hija e’ una gran siete;/むすめよ,云ってくれよ,大嘘つきめ;

Quien te crees que sos, canejo?/誰かがおまえさんは,あの女?
o porque me ves tan viejo/それとも俺はそんなに爺に見えるのかい
me has tomao pal juguete./悪ふざけは勘弁しておくれ
Que te crees si sabes chorra/あんたは信じるか,まぬけ男の知ることを
de que soy algun sotreta,/ところで俺は可なりの役立たず者,
pa que me estires la jeta/馬鹿つらを延ばしくれるかい
y chilles como cotorra,/オウムの様に喚けって,
mira vieja sos muy zorra,/見ろよビエハ(婆さん)あんたは悪賢い女,
para, que estoy comprendiendo,/なぜかって,俺は悟っているんだ,
ya digo si estoy sintiendo,/ジァー言うが俺はすでに気随ているんだ,
el haberme acuellarao/首元で付きまとう
con usted mas condenao/あんたは罪を負うも当然だ
que los diablos del infierno/悪魔の地獄いき.

注記:
canejo:caray!;ちくしょう!
chorra:間抜けな奴
sotreta:役ただず者
vieja:婆さん,(若い者に使う場合は親愛を込める)

⑦:エル・スエニョ(夢)/エスティーロ/作詞:フランシスコ・イシドロ・マルティーノ
フアン・デ・ディオス・ペサの叙事詩よりインスピレーションを受けた歌詞。ガルデ
ルが初めてアバスト市場裏通りのジヘーナ宅でロサーノに出会った時に披露した歌が,この“夢”である。

Anoche, mientras dormia,/昨日の夜,ねむりの間に
del cansancio fatigado,/うんざり疲れの
no se que sueno adorado/熱愛の夢か知らずゆえ
cruzo por la mente mia;/俺の脳裏にかすめ
sone de que te veia,/おまえが来る夢みる
y vos me estabas mirando,/それにおまえが見つめていた,
y yo te estaba contando/そしておまえに語りつつ
mi vida triste, muy triste,/おれの悲しい命,とても悲しみを
y que desapareciste/それはおまえが消えうせたから
al despertarme llorando,/なきながら目覚める

⑧:ポブレ・フロール(哀れな花)/エスティーロ/作者:カルロス・ガルデル-ホセ・ラサーノ/この曲にはイサベル・セシリア・カナベリー作のポエマ“フロール・デ・カルド(アザミの花)”から抜粋したと思われるベルソス(散文詩)が出てくる。

Pobre flor que en el olvido/忘れ去られた哀れな花
me dejo su jardinero/かの庭師が捨て去りし .

Vas y va por el campero/荒地をいく,そしていく
lleno de fragancia y color;/彩と香りを満ちた,
su pureza y tu hermosura/芳しく精らかさを
para siempre la perdiste,/永遠にうしなう

Ya no eres lo que fuiste/すきし面影今はなし
ya nada te queda de flor./もう花盛りも残り無く.
Ya no viene el picaflor,/もうハチドリも来ない,
como en tus horas de amores,/愛のひと時と同じに
para mirar los primores/おまえの繊細さに引き攣られ
que la natura te odio./自然がおまえを憎み

Y la misma mariposa/その同じ蝶々
pronto te acariciaba./すばやく寄り添い.
la que tanto te adoraba,/とても熟愛した,
para siempre te perdio./永遠にすべて失う.

Ya no brillan los encantos,/もう魅惑は輝かず,
de tu galena hermosura;/快い美貌も;
que ayer la vida te dio./いのちさずけのあの過ぎ日.

El tiempo sin primores/時すぎて繊細さもなし
sin sol, solo y sin estrellas/陽もなく,星も無くただ一人
ya no alarga al existencia/人生の向きも変わり
con la sombra se perdio./影と共に失う.

⑨:ラ・マリポーサ(蝶)/エスティーロ/アンドレス・セペダの曲“ゴルヘェオス(さえずり)”又は“ラ・マリポーサ・リビアーナ(浮気な蝶)”に類似している。作者はアンドレス・セペダ‐カルロス・ガルデルと明記されているが,1903,年発行の雑誌ラ・パンパに記載されている,フロレンシォ・イリアルテ(本名イノセンシォ・エレーラ)のエスティーロ“ケハス(なげき)”の作品の出だしに“浮気な蝶は甘美な色をしている”と詠われているのだが。この曲は女優ロラ・メンブリベス(如何なる人物?)に捧げられた。

Tiene muy lindos colores/稀な美しい彩色を携え
la mariposa liviana/ふしだら蝶
mil encantos la manana/夜明けの魅惑無数
tiene la estrella fulgores,/きらめく星々を携え
perfume tienen las flores/花々は香り携え
misterio la fuente pura/すんだ泉の秘め事
el campo tiene frescura/彼方の野原にさわやきを携え
el viento canciones suaves/彼方の風は歌々のこころみ

⑩:エス・エン・バーノ(空しくも)/カンシオン/オリジナルの詩、曲共にスタイルはバルスで、パジャドールであるフェデェリコ・クルランドの作品だが、ガルデルは巧みに簡単な即興演奏より更に高尚へと到達している。彼クルランドはベティノティ、エセイサ、カゾン、トレホ等達と最後のパジャドール・グループに属し、(若くして1917年に没)クルランドの“エス・エン・バーノ”は遺族からのレコード発売を差し止める訴訟されたというが、当時の亜国に置いて作者保護の版権制度も無く。この様な著作権侵害的な例は珍しい事では無く、レコード会社の横暴に任せてられて居たらしい。

En vano,en vano/それは空しい,それは空しい
mis secretos,horas secretas/おれのひみつ,秘密の時
de amor perdi/喪った愛の
Pero no puedo mas acordarte/しかし,もうおまえを偲べない
que para amarte,/いとしつくすため
yo naci./俺は生まれきた

Y aun te adoro/そして今も愛す
con amor ciego/盲目的な愛とともに
con todo el fuego de la pasion/情熱の炎とともに
Oh si permitas/オー,もし赦し願えれば
la paz del alma,/無垢な心よりの平和
la dulce calma del corazon!/歓甘なのどかな心の!
Mi amor es grande,/わが愛惜は激しい
Grande y profundo/深くそして強い
Como en el mundo/天地のごとく
no puede haber/存在する事の無い様に.

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