2011年8月30日火曜日

ガルデルのCD-2(16~18曲)

⑯:ラ・チーナ・フィエラ(やり手少女)/エスティーロ/18007A/
歌:ガルデル-ラサーノ/
作者:ガルデル-ラサーノ/

Dice que mi china es fiera/皆が俺のあの子はやり手だと言う
y se parece al carpincho,/カピバラにそっくり
que su voz es un relincho/その声は嘶きそのもの
y su boca una tranquera,/その口は柵トビラ
y su boca una tranquera!/その口は柵トビラ!
Que es una prienda cualquiera/それは取るに足らないプリンダ
del mismo valor que el toro/牛と同じ値打ち
que tiene al andar saber/旨くたちまわり
igual al de mi potranca/俺の子馬と同じだ
que es brisana y media manca/それはみな知っている半まぬけ
yo sin embargo la quiero./だけど俺は愛してる.

言葉の意味/carpincho:カルピンチョ即ちcapibara:/カビバラ:
南米の川岸に生息するげっ歯類動物,肉は美味で食用になる。
Priendaプリンダと読むが誤字ではないかと思われる

⑰:ジャ・カンタ・ガージョ(もう鶏が鳴く)/サンバ/18008A/
歌:ガルデル-ラサーノ/
作者:フェリクス・スコラッティー・アルメイダ/

Cuando las aves duermen ,/鳥達がねむるとき,
y obra el silencio ./自然は静粛する.
Cuando las aves duermen ,/鳥達がねむる時,
y obra el silencio ;/あたりは静粛する;
por visitar la pampa/パンパを訪れころ
yo estoy sufriendo y sufro por ti ./俺は苦しむ,そして悩むよお前のために
Ay ,ay ,ay ,de mi !/アィ,アィ,あぁ俺は!
Luego es de mananita ,/あさあけの後,
ya canta el gallo ./もう鶏がうたう
Luego es de mananita ,/あさあけあと
ya canta el gallo ./もう鶏がなく
Pero en su solo canto/しかし,それを唯うたうのみ
yo estoy llorando y lloro por ti/俺は泣き崩れ,お前のために泣く
Ay ,ay de mi!/アィ,アィ,あぁおれは!
Muchas veces sabiendo/いつもの事と知りながら
que te amo tanto ./お前故に
Muchas veces sabiendo /いつもの事と知りながら
que te amo tanto ./お前故に

⑱:アマルグーラ(悲嘆)別名:エル・フロリデンセ(花盛り)/エスティーロ/18008B/
歌:カルロス・ガルデル/作者:マシエル-ディアスとあるがアンドレス・セペダ作である/

Llora el ave cuyo nido ,/鳥が嘆くよ,その巣で
en la noche llevo el viento ,/風が飛ばした,その夜に
cuan amargo es su lamento ,/それはかれの悲しき同じ苦しみ
como triste es su gemido ./それは悲しみのなき声
profunda la pena al vivo /生きみの苦痛深く
no forma luego en nidal /ただちに作れぬ隠れ場

Y cantando sin cesar /そして,やみ終えないさえずり
vive feliz y contento /生きる喜びと幸せに
ya el ave no se lamenta /もう鳥は悲しまない
ni tiene porque llorar /何故泣く事もなく

Yo mas infeliz que el ave ,/俺は鳥より更に不幸せ
mas infeliz que rosal /更にバラの木より不幸せ
no hallo remedio a mi mal /わが不幸には救いもない
pues nadie curarlo sabe ./それゆえ誰も手当ての手が出せぬ
Cuanto de ventura cabe /すべての運がありえるか
en un hombre , en mi han de hallar /ひとりの人に,我が存在を見出して

Naci para atesorar /たくわえる為に生まれ
de la vida las congojas /苦悩人生の
soy rosal sin flores ni hoja /おれはバラの木,葉も花もなく
y canto por no llorar ./そして,なかない為に歌う

注:“ジァ・カンタ・ガジョ”の作者,フェリックス・スコラティー・アルメイダは1891年10月3日にイタリー,ミランに生れる。ミラン市ギセップ・ベルディ音楽学校に学ぶ。1907年17歳の時に移民の一人としてブエノスアイレスヘ到着する。その後音楽修行を重ね,ピアニスト,作詞,作編曲家となる。そして,ナショナル劇場にオーケストラの作曲と指揮を担当するまでになり,そこで計らずしくもガルデル-ラサーノ達と共演活動する境遇になる。1917年7月2日にオデオン劇場にてカルロス・スチェフェ.・ガジョ作品“エル・セルカード・アへーノ(他人の囲われ物)”をビトーネ-ポマール劇団の元でデビューする。“クルトゥーラ・ラジオ(文化放送)”に古典フォルクローレのオーケストラを指揮して出演した。その他,ラジオ・ドラマや演劇の音楽も数多く手がける。カルロス・ガルデルが彼フェリクスの作曲したサンバ“ジャ・カンタ・ガージョ”を初め,ワルツ(バルス)“アィ,エレーナ”,“アィ,アゥローラ(あぁ,あけぼのだ)”,バンブーコ“ミス・ペーロス(俺の犬達)”,クエッカ“ラ・ジェゲシータ(小雌馬,あばずれ娘)”,トナーダ“ミ・パロミータ(俺の鳩)”をレパートリーにした。これらの作品はガルデル-ラサーノ達のチリー公演(1917年10月)に参加した時のチリー民謡をモチーフにした産物であり,“ガルデル-ラサーノ”レーベルで1918~19年に録音された(次回のCD‐3で紹介する)。このチリー公演ではパキータ・エスクリバーノのオーケストラに共演参加,ガルデル-ラサーノ達が11月12日を以ってサンチァゴ公演を終えメンドサに向かうとフェリックスは民謡歌手ロクサーナとペルーへと巡業の足を伸ばした。ガルデルの歌った他の曲では,エンリケ・マローニ作詞のサンバ“ラ・サルテニータ(サルタの乙女)”に曲を付け,タンゴはルケ・ロボ作詞“ラ・マスコティータ(マスコットお譲さん)”,エンリケ・マローニ作詞“ビルヘンシータ・デ・ポンページャ(ポンページャの聖女)”,パシージョ“ミス・フローレス・ネグラス(おれの黒い花々)”の編曲をした曲などを取り上げている。彼は1964年8月27日,ブエノスアイレス州フロレンシォ・バレラにて没,72歳の人生を全うした。

にほんブログ村 音楽ブログ ワールドミュージックへ
にほんブログ村
にほんブログ村 音楽ブログ 音楽の豆知識へ
にほんブログ村

0 件のコメント: