2009年12月19日土曜日

ガルデルの芸能活動ー2:レコードリスト(1)


カルロス・ガルデルはどの位の数のレコードを録音したのだろうか。
データにある数として971曲、未発表が43曲と言われている。レコード録音
されなかった曲はどの位あるか不明である。例えば、1913年ごろサウル・
サリーナと組んだ二重唱での曲や“キエレメ(Quiereme)”や女性歌手との
二重唱のロシータ・モレーノと“エル・ディア・ケ・メ・キエラス”、インペリオ・
アルゼンチーナと“マニャニータ・デ・ソル”などがある。
映画のシーンで歌われている曲は伴奏共レコード吹き込み曲とは別の録音
である。又レパートリにした歌のスタイルは多彩に及ぶ。
それらは、アルゼンチン・ランチェーラ(5曲)、コロンビア・バンブーコ
(4曲)、カーメル‐トロット(1曲)、カンシオン(39曲)、カンシオン(英語、
1/2曲)、カンシオン(伊、1曲)、カンシオン(仏、5曲)、シフラ(6曲)、
クエカ(2曲)、チャカレーラ(4曲)、ダンサ(1曲)、エスティーロ(28曲)、
ファド(4曲)、Fox-trot(7曲)、ガト(4曲)、フォタ(1曲)、マルチャ
(行進曲1曲),ミロンガ(7曲)、パシージョ(1曲)、パソドブレ(5曲)、
プロビンシアーノ(田舎風6曲)、ルンバ(2曲)、Shimmys(12曲)、
タンゴ(520曲)、トナーダ(18曲)、トーリステ(1曲)、バルス(51曲)、
ビダリータ(2曲)、サンバ(32曲)。

1912年8月13日、コロンビア・レーベル:SP盤7枚、15曲
1917年4月9日~1933年、アルゼンチン・オデオン:SP盤484枚、968曲
1928~31年、フランス・オデオン:SP盤32枚、69曲
1925~32年、スペイン・オデオン:SP盤30枚、63曲
1934~35年、RCAビクター:SP盤10枚、22曲
1930年、パトリア・フイルム(映画):10曲
1931~32年、フランス・パラマゥント(映画):12曲
1934~35年、アメリカ・パラマゥント(映画):21曲。
全合計:SP盤563枚、1206曲(繰り返し曲も含む)
2006年:CD50枚、971曲(別に未発表43曲あり)が発売される。


(*)1912年~1920年6月10日までの録音:
1912年8月13日:カルロス・ガルデルの歴史的最初のレコード吹き込みはコロンビア・レーベルで15曲録音された。(この年に“アトランタ”レーベルで行われたとホセ・ラサーノがフランシスコ・ガルヒア・ヒメネスに伝えたといわれているが、このレーベルでの吹き込みは不明)。
001:ソス・ミ・ティラドール・プラテェアォ/エスティーロ/T728A
    作者:ガルデルーラサーノ、(本当の作者はフアン・トローラ、
    本名をフアン・エスカジョーラ、ガルデルのいとこ)
002:ジョ・セ・アセール(できるよ)/シフラ/T728B
    作者:アンドレス・セペダーカルロス・ガルデル
003:ラ・マニャニータ(朝明け)/エスティーロ/T594B
    作者:カルロス・ガルデル
004:パランガネアンド/T729
    作者:不明
005:ア・ミ・マドレ(わが母)/エスティーロ/T729A
    作者:アンドレス・セペダ‐カルロス・ガルデル
006:メ・デハステ(捨てられて)/エスティーロ/T594A
    作者:アンドレス・セペーダ‐カルロス・ガルデル
007:ミ・チーナ・カブレーラ/エスティーロ/T729B
    作者:カルロス・ガルデル
008:エル・スエニョ(夢)/エスティーロ/T730B
    作者:フランシスコ・マルティーノ
009:ポブレ・フロール(愛しい花)/エスティーロ/T637B
    作者:ホセ・エアサーノ‐カルロス・ガルデル
010:ラ・マリポーサ(蝶)/エスティーロ/T637A
    作者:ホセ・ラサーノ‐カルロス・ガルデル
011:エス・エン・バーノ(それは無駄ごと)/カンシオン/T595B
    作者:フェデリコ・クルランド‐カルロス・ガルデル
012:ブリサ・デ・ラ・タルデ(黄昏のそよ風)/カンシオン/T638B
    作者:ホセ・マルモール‐ホセ・ラサーノ‐カルロス・ガルデル
013:エル・アルモハドン/バルス/T638A
    作者:アンドレス・セペダ‐カルロス・ガルデル
014:ア・ミトレ/バルス/T730A
    作者:カルロス・ガルデル
015:ミ・マドレ・ケリーダ(愛しい母)/ビダリーダ/T595A
    作者:ホセ・ベティノティー
以上の録音のギター伴奏はホセ・ラサーノとカルロス・ガルデルら自身で
受けもっている。ガルデルは第二声を受け持ち、録音技術の初歩的な
悪さとガルデル自身の歌声のかぼそさが目立つが、兎も角歴史的貴重な
レコードである。

(*)1917年4月9日よりホセ・ラサーノとの二重唱(**)でギター伴奏
はホセ・リカルドでマクッス・グルクスマーン商会でオデオン・レベール
のレコード吹き込みを開始する。
016:カンタール・エテルノ(永遠に唄う)/カンシオン、**/18000A
    作者:アンヘル・ビジョルド
017:エル・ソル・デル・25/ガト、**/18001A
    作者:ドミンゴ・ロンバルディー
018:ブリサス(そよ風)/カンシオン、**/18002A
    作者:ホセ・マルモル
019:ラ・ウエジャ(足跡)/カンシオン、**/18003A
    作者:ラサーノ‐ガルデル
020:ラ・クリオージャ/カンシオン、**/18004A
    作者:ラサーノ‐ガルデル
021:エル・ティラドール・プラテアオ/エスティーロ/18007B
    作者:フアン・トローラ
022:エル・モーロ/カンシオン/18004B
    作者:ラサーノ‐ガルデル
023:ラ・マリポーサ(喋々)/エスティーロ/18003B
    作者:セペーダ‐ガルデル
024:エル・パンガレー/カンシオン/18002B
    作者:アルシデス・デ・マリア
025:ラ・チーナ・フィエラ(強がり娘)/カンシオン、**/18007A
    作者:ラサーノ‐ガルデル

1917年4月16日録音:
026:エル・セニュエロ/エスティーロ/18009B
    作者:ラサーノ‐ガルデル
027:ウナ・ロサ・パラ・ミ・ロサ(ローサにバラの花を)/カンシオン、**/18005A
    作者:サウル・サリーナ
028:ジャ・カンタ・エル・ガジョ(鶏の鳴き声)/サンバ,**/18008A
    作者:フェリクス・スコラリー・アルメイダ
029:アディオス・ケ・メ・ボイ・ジョランド
   (さよなら、泣きながら行くよ)/カンシオン、**/18009A
    作者:ラサーノ‐ガルデル
030:プンタナ/プロビンシアーナ、**/18010A
    作者:ラサーノ‐ガルデル
031:アマルグーラ(苦しみ)/エスティーロ/18008B
    作者:マシエル‐ディアス
1917年11月16日録音:
032:ミ・ノチェ・トリステ(わが悲しみの夜)/タンゴ/18010A
    作詞:パスくアル・コントゥルシ、作曲:サムエル・カストリオタ
033:レクエルド(思い出)/エスティーロ、**/18006B
    作者不明、当然プグリエーセの同名とは違う。
034:エル・モーロ/カンイオン/563
    オルケスタ・ロベルト・フイルポと共演、レコードレベールには
    ガルデルの名がない。作者:ラサーノ‐ガルデル
035:ラ・マルデゥガーダ(明けがた)/カンシオン、**/18006A
    作者:サウル・サリーナ
036;テ・アコルダラー/サンバ、**/18011A
    作者:ガリンデス・ラサーノ‐ガルデル
037:ロ・ケ・フイ(過ぎた日々)/エスティーロ/18011B
    作者:ラサーノ‐ガルデル

1918年8月28日録音:
038:ミス・ペロース(わが犬たち)/バンブーコ、**/18012A
    作者:フェデリコ・リーバス・フラーデ
039:アイ、アイ、アイ/カンシオン、**/18013A
    作者:オスマン・ペレス・フエレイレ
040:ラ・パストーラ(羊おい娘)/カンシオン、**/18014A
    作者:サウル・サリーナ
041:ア・ミ・マドレ(わが母)/カンシオン/18013B
    作者:ペドロ・パラシオス‐ガルデル
042:フロール・デ・ファンゴ(ぬかるみの花)/タンゴ/18012B
    作詞:パスクアル・コントールシ、作曲:アグゥスト・ジェンティレ

1919年3月16日録音:
043:アイ・アウローラ/バルス、**/18016A

          作者:ラサーノ‐ガルデル
044:アイ・エレーナ/バルス、**/18017A
          作者:ラサーノ‐ガルデル
045:サン・フアニーナ・デ・ミ・アモール/トナーダ、**/18018A
          作者:アンヘル・グレコ‐フランシスコ・マルティーノ
046:ラ・ベゲシータ/クエカ、**/18015A
          作者:ラサーノ‐ガルデル
047:コモ・キエレ・ラ・マドレ・ア・スス・イホス/バルス/18015B
          作者:ホセ・ベティノティー
048:スエナ・ギターラ・ケリーダ/エスティーロ/18014B
          作者:ラサーノ‐ガルデル
049:エル・カルド・アスール/エスティーロ/18018B
          作者:ラサーノ‐ガルデル
050:ケ・スエルテ・ラ・デ・イングレス/エスティーロ/18017B
          作者:ラサーノ‐ガルデル

1919年5月9日:
051:ラ・コルドベサ/サンバ、**/18019A
          作者::クリスティーノ・タピア
052:エル・バガブンド/バンブーコ、**/18020A
          作者不明、コロンビア民謡
053:デ・ブエルタ・アル・ブリン/タンゴ/18020B 
          作者:パスクアル・コントゥルシ‐ホセ・マルティーネス

1920年6月10日録音:
054:エン・バーノ、エン・バーノ/エスティーロ、**/18025A
          作者:アンドレス・セペダ‐カルロス・ガルデル
055:ミ・チーナ/ファド、**/18021A
          作者:ロドリゲス‐ロルダン
056:ルモーレス/バンブーコ、**/18024A
          作詞:フランシスコ・レストレポ、作曲:アレハンドロ・ウィリス
057:ミロンゴン/ミロンガ、**/18022A
          作者:アンブロシオ・リオ
058:ミ・ティエーラ/サンバ、**/18023A
          作者:クリスティーノ・タピア
059:イベィテ/タンゴ/18024B
          作詞:パスクアル・コントゥルシ、作曲:E・コスタ‐J・A・ローカ
060:アジューナ・ビルヘン/カンシオン/18022B
          作者:マヌエル・フローレス‐マリオ・パルド
061:ポブレ・マドレ/エスティーロ/18023B
    作者:ラサーノ‐ガルデル
062:アマネセール/シフラ/18021B
    作者:ラサーノ‐ガルデル
063:リンダ・プロビンシアニータ/サンバ、**/18026A
    作者:マリオ・パルド
064:ムニェキータ(お人形さん)/タンゴ/18026B
    作詞:アドルホ・ヘルチェル、作曲:フランシスコ・ロムート
065:ミロンギ―タ/タンゴ/18028A
    作詞:サムエル・リニング、作曲:エンリケ・デリフーノ
066:ミ・パロミータ/トナーダ/18028B
    作者:ラサーノ‐ガルデル
067:ポルケ・テ・キエロ/トナーダ/18029A
    作者:クリスティーノ・タピア
068:アソマテ・ベンターナ(窓によい逸れて)/バンブーコ/18029B
    作者:アレハンドロ・フローレス(コロンビアーノ)
069:カント・ア・ラ・セルバ/**/18031A
    作詞:ニコデモ・ゴリンデス、作曲:アンヘル・グレコ
070:ミ・カバ―ジョ・イ・ミ・ムヘール/クエカ/18030A
    作者:ホセ・リカルド
071:ケ・キエレス・コン・エサ・カラ/タンゴ/18030B
    作詞:パスクアル・コントゥルシ、作曲:エドゥアルド・アローラス
072:ラ・カテドラティカ/ミロンガ/18025B
    作者:フランシスコ・マルティーノ

1920年9月26日から録音:
073:カルネ・デ・カバレー/タンゴ/18031B
          作詞:ルイス・ロルダン、作曲:パシフィコ・ランベルテゥチ
074:ポブレ・パイカ(エル・モティーボ)/タンゴ/180
          作詞:パスクアル・コントゥルシ、作曲:フアン・カルロス・コビアン
075:アウセンシア(不在)/バルス、**/18027A
          作者:ラサーノ‐ガルデル、フランシスコ・ビアンコ
076:ポブレ・ガジョ・バタラス(安賭鶏の可哀想な鶏)
   /エスティーロ/18027B
          作詞:アドルホ・ヘルチェル、作曲:ホセ・リカルド

注:この時期は曲の作者不明か判明しない場合は最初に作品を取り 上げた者の名前をつける事が出来た。例えば、作者:ホセ・ラサーノ‐ カルロス・ガルデルとある曲は全て彼等の作品ではない可能性あり。


1921年7月30日録音からに続く:

3 件のコメント:

El Bohemio さんのコメント...

ガルデル、最初のレコード録音はフロクローレからパジャドール達からの影響が強く現れている。一番目の曲はエスティーロで、フアン・トローラ(本名フアン・グアルベルト・エスカジョーラ、ガルデルのいとことされる人)である。この曲かなりお気に入りで、三回も取り上げている。
パスクアル・コントゥルシ作詞の"ミ・ノチェ・トリステ”の他に“フロール・デ・フアンゴ”,“イベッテ”らの三曲の有名なタンゴとサムエル・リニングの“ミロンギータ”と早くも本領な活躍ぶりは流石。

El Bohemio さんのコメント...

ガルデルが歌たった二番目のタンゴ“フロール・デ・フアンゴ(泥沼の花)と“マルゴー”は50年追悼記念LP盤に収録されています。アコスティク録音時代初期の名曲です。

匿名 さんのコメント...

1912年、ガルデル最初のレコード録音での2番目の“ジョ・セ・アセール”/シフラ/セペダ‐ガルデル作が画像バーで見られるのでどうぞ。