小生が書いてきたこの物語はガイドとしてボゴタで1985年に出版されたハイメ・リコ・サラサール著「ガルロス・ガルデルの人生と歌唱集」によるのだが、この内容はガルデル伝記作者で有名なフランシスコ・ガルヒア・ヒメネス著「ガルデルの人生」のほとんどの内容がコピー物である事に気ずいた。原本のヒメネス著の内容も事実を曲げた捏造物語である事に今頃気がついた。小生は他の資料を読んで行く課程でガルデル出生、遺言書は彼達の記事を基にせずウルグアイ生まれ説と遺言書は偽造で有ると解明した記事を書いた。ヒメネス著はガルデルがメデジンで事故死を遂げた後で二重唱のパートナー及び旧友であり同郷人ホセ・ラサーノの回想として書かれた伝記物であるが、この著書の意図はガルデルの財産管理人アルマンド・デフィーノとホセ・ラサーノ及びタンゴ作詩家ガルヒア・ヒメネス達が共謀の元にガルデルの財産とレコード版権を横取りする為にベルタ女史の一人息子に仕立て上げてしまったのである。
2012年5月10日木曜日
蓄音機で聴くガルデル
ガルデルは“ビトローラ”で聞くのが最適だ!!
ビトローラ(ビクトローラ)とは古い蓄音機の事である。今更最先端のCDプレーヤーで最新録音を聞く時代に今更SPレコードなどを引っ張り出す事もあるまいと思うのだが...。ましてガルデルのSPレコード盤などは入手も聴くのも至極く困難な時代なってしまった今日この頃である。これらの録音を名機“クレデンザ”と名の付く古い蓄音機で聞くと“生のガルデル”の歌が迫って来るらしい。らしいと書くのは小生は残念ながら“クレデンザ”なる蓄音機の本物を見た事も聴いた事も無いからだ。レコード盤に蝋管の先に鉄針をそっとのせると朝顔に似た大きなラッパからかなりの音量の音楽や歌が聞こえてくる。と幼年の頃簡単な蓄音機を聴いた記憶がよみ返って来たが。ところで今,古い蓄音機と数枚のガルデルのレコードが手元にあるとしよう。しかし,この装置を聴くには然るべき神聖な準備と儀式がいる。先ず蓄音機のゼンマイをハンドルで巻き上げ,レコード針の調整をした上に。そこで慎重にレコードに針をそっとおとしてみると想像しうる喪失とひずみ音とスクラッチから聞こえてくるあの当時其のままの“ガルデル”が浮かび出てくる。「ガルデルは蓄音機で聴くべきだ」とただちに納得するだろう。それはアコースティック録音特有の自然その物に再生された音がかもし出されてくるからだ。ガルデル初期の年代の舞台からラサーノとドゥオで,また,古い屋敷のサグアンから登場する様に“ラ・コルドベセサ”,懐かしの“ミ・ティエーラ(我が故郷)”,と滑稽な“エル・サポ・イ・ラ・コマドレハ(蛙とイタチ)”の歌々。そしてギターのバチバチとした金属音を従えて強くひねりに満ちた独唱がラッパに映える。ある夏の宵のマテの一時に聞こえてくるラジオからのカルデルの快い歌声に思いを映えらせ...“ミ・ノーチェ・トリステ”,“マノ・ア・マノ”,“カミニート”を初めにアコースティックの響きが部屋に広がる...,その声は彼の栄光に一致するものだ。そして今でもガルデルが恰も生き帰り歌っている様な幻想の世界に引き込まれるだろう。
注記:サグアンとはブエノスの邸宅の玄間入り口の石たたみ通路に石作りの噴水があったりする。テレビのタンゴ番組の舞台の背景に出てくる。
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3 件のコメント:
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
コメントありがとう御座います。
貴ブログの内容もすばらしいですね。参考にさせてください。ガルデル物語では色々と情報の選択に苦労していますが...できるだけ頑張るつもりです。今後もよろしく!
GちょこMarble-GENさん:
メンバー登録ありがとう!
今後もよろしく...
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