2011年9月5日月曜日

ガルデル,初めて地方興行に出る(2)


サウル・サリーナスがガルデルのグループに参加して?
そのサウル・サリーナスはクリーオジョ音楽にメキシカン・デュエット唱法のやり方を適応させるアイデアを練り上げていた。全体のルールの上に編曲発声が成り立つには“第一声”が主メロデーを保ち,一人目の“第二声”はそれに平行して同じメロディーを歌い,その上に最初の第三低音も受け持ち,それに従い二人目の“第三声”が低音へ音程を整える。歌の演唱は主に“第一声”の声に委ねられ,一方で“第二声”はハモーニーを支える役目を受け持つ。グループの歌手達全員がよい音感を持っていれば,この歌フォームは容易に映える。サウル・サリーナスはガルデル,マルティーノ,ラサーノ達に,この唱法を彼の主導で“テルセト(トリオ)”を組織するのを提案したところ,“エル・モローチョ”ガルデルはこの計画をすんなりと興味深く受け入れた。そこで“トリオ”を4人で練習に取り組むが,彼等の心ともない音楽知識では少しも容易ではなく,結果は必ずしも旨く行かなかった。しかしながら,練習の甲斐も実りクァルテット(実際はデュエット二組)は響き良くなり,プロの確かなニュアンスを備え始めていた。しかし,このためしごとは首尾良くサリーナスの思い道理に成功したのかは知る由もない。何故か?それはこの試しはレコードなどの記録が無いからだ。ともかく,彼等4人はブエノスアイレス州の内陸地の小都市へ新らたに幸運を試す巡業へと出かけたのである。

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